そして、平成元年に社会の変化に自ら対応できる心豊な人間の教育という新たな方針を打ち出す。ここで生活科の新設やどうとく教育の充実を唱える。その都度授業時間の削減が唱えられるようになり、学校による授業時間は削減され始める。
学校週五日制の本格的などうにゅう・拡大については、まず1992年(平成4年)9月に各月一回の土曜学校休業がごく少数の例外を除く全国すべての国公立幼稚園、小、中、高等学校、盲、聾、養護学校でいっせいに画一的に実施され、ついで、95年4月からの月二回土曜休業もまた全国一征画一的に行われた。しかし、各学校において学校週五日制に応じた教育課程の改善が円滑に行われず、教育課程の過密、児童生徒の学習こんなんなど、種々の問題を惹き起こした。その主要な原因の一つとして文部省が法的拘束力を有する教育課程のぜんこくきじゅんだと指定定めている学習指導要領が改善されないままに週五日制に応じて総学校時間の削減が迫られたことがあげられる。
そして平成10年に自ら学び自ら考える力などの「生きる力」の育成を唱える。これにより、教育内容の厳選や総合的学習の時間の新設などが行われるようになる。
これに平行して 「ゆとりの教育」の名のもとに、2002年度より完全週休二日制を導入し、同時に大幅なカリキュラムの削減を骨子とする「新学習指導要領」の実施が決定された(既に2000年4月より小・中学校では「移行措置」のカリキュラムが実施されている)。 新指導要領の内容は以下の通りである。
◎「総合的な学習の時間」を創設する。
◎ 学習時間、学習内容を大幅に削減し、基本・基礎を重視する。
◎ 選択授業を拡大する。
◎ 自ら課題を見つけ、考える力・生きる力をはぐくむ。
◎ 知識の詰め込み・暗記より、学習意欲や学び方の習得を重視する
◎ 特色ある学校づくりを進め、学校の裁量権を拡大する。